誰にでも使いやすく、将来を見通した間取りにする

わが国の家の短命さ(20年余りで家が取り壊されている)のひとつの大きな理由として「耐用性」の不足が挙げられています。つまり「長期間の用に耐える住まい」になっていないということです。社会がいくら変化しても、人間がもっている本質は変わりません。その本質をとらえた視点で家づくりを進めていけば、機能的で使いやすい間取りはある一定の範囲に納まってきます。流行に流された家が短命であるのは、その本質から逸脱しているからなのでしょう。
番匠はその住まい手の個性に合わせながらも、将来の家族形態も十分に考慮して、住まい手にとって使いやすいプランニングを行うようにしています。

模型をつくって施主と議論していくことで、住まいの使い方がよりイメージできるようになります。

シンプルな家の形にすることで、雨漏りのリスクを低減させる

建物の耐久性を低下させる最大の原因は「水」です。よって、いかに建物の中に水を入れないかが大きなポイントになります。とくに定常的な雨漏りは構造材を腐らせ、シロアリ被害を助長することにもつながります。雨は建物の凹凸があるところから入ってきます。複雑な屋根の形にしたり、無理のある窓の納め方をしたりすると、雨漏りのリスクはどんどん大きくなってきます。
番匠の家は凹凸の少ないシンプルな形をしています。これは構造的にも安定するからですが、雨漏りのリスクを抑えるという理由もあるのです。さらに、しっかり軒を出すことで夏場の日射しとともに雨を防ぐ働きもします。

軒をしっかり出すことで、雨漏りを防ぎ、外装材を長持ちさせます。

屋根はシンプルな切妻。家全体に凹凸をつけないことで雨漏りのリスクが大幅に減少します。

ベタ基礎にすることで、シロアリ被害のリスクを低減させる

シロアリも建物の耐久性を大きく低下させる原因になります。これまでのわが国のシロアリ対策は薬剤に頼ったものでしたが、これはシックハウスにつながります。これからのシロアリ対策はシロアリの生態を知った、薬剤に頼らないものにしていく必要があります。シロアリは地面の中に巣をつくり、床下から家の中に上がってきます。つまり、床下にシロアリが上がってくる隙間をつくらなければ、シロアリの被害に遭わない家にすることができるわけです。番匠では、一部薬剤を塗布している部分もありますが、基本的なシロアリ対策として「ベタ基礎」を採用しています。ベタ基礎は「構造的に有利(不同沈下を防ぐ)」「地面からの湿気を遮断する」というメリットがあるとともに、極めて隙間が生じにくい構造であるために、シロアリ対策としても非常に有効なものです。

時間の経過とともに味わいが深くなる材料を使う

いまのわが国の平均的な住宅は「新築したときがいちばん美しい」と言えるように思います。一方、伝統的な造りの家を見たとき、それが相当に古い家であっても「美しい」と感じられます。この違いは家のフォルムにも理由があるのでしょうが、何よりの違いは使っている材料にあります。新建材の家は時が経つにつれ何かみすぼらしくなっていくのに対し、ムクの木と土の家は年々味わいを深めていきます。
番匠がムクの木と土(左官材料)にこだわるのは、化学物質を排除したいという理由もありますが、この「時間の経過とともに美しくなっていく」という理由も強くあるのです。

自然素材を使った内装は、化学物質の心配がなく、時間の経過とともに落ち着いた空間をつくり出してくれます。

維持・管理しやすい給排水設備にしておく

トラブルが少なく、長持ちさせる住まいを考えるとき、給排水設備は極めて重要なテーマになってきます。住まい手にとって毎日使う衛生器具は目に見えるものなので、器具が故障すればすぐに分かります。しかし私たちにとって一番の問題として考えていることは、隠蔽部分となっている配管の状態です。特に材料を接続するジョイント部分でトラブルが発生することが多いのですが、そうした問題をクリアできる材料がいまだに開発されておらず、常に模索しながら新商品が販売されているのが現状です。したがって、設備配管に完璧なものはいまだ存在しないということを前提として考えなければいけません。そこで番匠では、次のような設備への取り組みを実施しています。すべては問題の早期発見、早期対応のためです。

  1. メンテナンスしやすい建物の構造とする(床下・天井裏に点検口を必ず設置する)
  2. 目視できる配管、構造にする(配管計画の工夫や洗面器具の下はオープンにすることなど)
  3. 施工図を確認する
  4. 耐圧試験を実施する
  5. 竣工図を保管しておく
  6. 施主自身が日頃メンテナンスできるように、その方法をアドバイスする
 
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